祖父母や親から聞く昔の話は、聞いたその場では覚えているつもりでも、 数年たつと「誰が誰の兄だったか」があいまいになります。 そして、確かめようと思ったときには聞ける相手がいなくなっている—— 家族の記録がいちばん失われやすいのはこの形です。
大がかりな調査を始める必要はありません。聞いたその日に、分かった範囲だけ図にしておく。 それだけで、あとから続きを足していけます。
聞き取りで作る家系図がうまくいかない理由
家系図のソフトや用紙は、たいてい正確に分かっていることを前提にしています。 生年月日を日付で選ばせる、続柄を厳密に指定させる、といった作りです。 ところが実際の聞き取りでは、返ってくる答えはこうです。
- 「たしか昭和のはじめ頃の生まれ」
- 「上に兄さんがおったけど、小さい頃に亡くなったらしい」
- 「祖母の実家は〇〇村。名前は……なんじゃったかね」
ここで入力できずに手が止まると、その日の聞き取りは形に残りません。 かんたん家系図は空欄のままでも図が正しく描かれるようにしてあります。 生まれ年の欄は自由に書けるので、「昭和のはじめ頃」と入れておけます。
聞き方の順番(この順だと話が広がります)
- ご自身を置く。まず自分から始めるのが確実です。
- 父・母を足す。それぞれの生まれ年と、分かれば出身地を備考に。
- 父方・母方の祖父母を足す。ここから先が、聞かないと分からない範囲に入ります。
- 祖父母のきょうだいを足す。「おじさん・おばさん」の話から、家の事情が見えてくることが多いところです。
- 思い出された順に足していく。順番はあとから直せます(その方を選んで「左へ」「右へ」)。
その場でスマートフォンから入力していくと、画面を見ながら「この人の下にもう一人おった」と 思い出していただけることがあります。図を見せながら聞くのが、いちばん話が出ます。
ご自身のお名前を1つ入れるところから始められます。
家系図を作る(無料)聞き取りのメモも一緒に残す
人物ごとに備考の欄があります。名前と年だけでは残らないことを、ここに書いておけます。
- 「〇〇村から嫁いできた」
- 「戦後に広島へ出てきて、商売を始めた」
- 「三人きょうだいの真ん中と聞いたが、名前は不明」
この一行があるかないかで、10年後の値打ちが変わります。 分からないことを「分からない」と書いておくのも記録です。
できた図は、必ず手元に残してください
この家系図は保管庫ではありません。作成から90日で自動的に削除されます。 聞き取りの記録は取り返しがつかないものですので、その日のうちに印刷するか、 ファイル(.json)に書き出してお手元に保存してください (印刷も書き出しも、いまは無料でお使いいただけます)。
書き出したファイルは、あとから読み込めば同じ図に戻せます。続きを足していくときはそこから再開できます。
また、ご存命の方の情報を入れる場合は、あらかじめご本人の了解を得てください。
あとから正確にしていく
聞き取りで作った図は、あとから戸籍謄本などで確かめて直していけます。 先に「聞いて分かる範囲の図」があると、どこを調べればよいかがはっきりします。 名前の表記や年が違っていた場合も、その方を選んで直すだけです。
記号の書き方(男性は四角、女性は丸、養子は二重線など)は 家系図の書き方にまとめています。
よくある質問
生まれた年が正確に分かりません。
そのまま入れてください。生年・没年は自由に入力できるので、「昭和のはじめ頃」「大正の終わり」「不明」といった書き方でもそのまま図に出ます。日付を選ばせる形にしていないのは、聞き取りで作る家系図では正確な日付が分からないことが普通だからです。
戸籍を取らないと家系図は作れませんか?
作れます。戸籍謄本をたどれば正確な家系図になりますが、まず「聞いて分かる範囲」を図にしておくだけでも十分に役立ちます。あとから戸籍で確かめて直していく順序で構いません。
聞いた話のメモも残せますか?
人物ごとに備考欄があります。「〇〇村から嫁いだ」「戦後に広島へ出てきた」といった聞き取りのメモを、その方のところに残せます。
作った図を親にも見せたいのですが。
URLを送れば、その場で見てもらえます。見ていただくと「この人が抜けている」と思い出されることが多いので、聞き取りのきっかけとしても役に立ちます。